2月7日(月)
2月8日(火)
2月9日(水)
2月10日(木)
2月11日(金)
2月12日(土)
2月13日(日)

現場ジャーナル 2月7日-13日


2005年2月7日(月)

おかげさまでこのホームページへのアクセス数は亀の歩みのごとくですがゆっくりと増加して今月に入ってからは1日40件ほどの方にご覧いただいています。ありがとうございます。

今日はある読者の方からメールをいただきました。アンケートや掲示板を設置してはいるのですが、普段はあまり読者の意見を聞ける機会がないので、どのような方が、どのような気持ちで記事を読んでくれているのかよくわかりませんでした。ですので、この方からの感想には本当に感激しました。

さて、この方からは先週の記事について貴重なご指摘もいただきました。誤解があるといけないので、この場で書いておきたいことがあります。2月3日の記事で、私たちが保健教育を委託しているNGOがいかにいい加減で、ずさんな資金管理を行っているかについて書きました。私が言いたかったのは、このNGOについてだけであって、むしろこのNGOはミャンマーの中では例外的と見ています。ミャンマーでの私の滞在期間はまだ1年弱と短いですが、今までに多くのミャンマー人に会って、彼らの多くがいかに親切で、まじめで、誠実かということは肌で感じています。

私の同僚はほとんどがミャンマー人です。全員で200人以上います。またこれまでに何度もスタッフ研修をやってきていますので、彼ら/彼女らの性格はよくわかっているつもりです。みんな、とてもまじめで、真剣に農村の発展のことを考えています。勉強熱心で、よく働きます。週末の休みもなく村へ行って、村人たちのお手伝いをしています。本当に頭が下がります。

たった一つのNGOに関する今回の記事で、読者の方々がミャンマー人全般について悪い印象を受けられたとすると、それは私の書き方が悪かったせいです。ミャンマーの人たちは東南アジアの中でも一、二を争うまじめな人たちだと思います。と書くと、じゃ、なんでミャンマーは東南アジアでも一、二を争うくらい貧しいの?という素朴な疑問が出てくるでしょうが、これは例の魚の話になってきます。では、今日はこのへんで。


2005年2月9日(水)

私の上司であるプロジェクトマネジャーが任期満了に伴い母国へ帰ることになっています。もう随分と前から決まっていた話ですが、いよいよ帰国の日が迫ってきました。後任は決まっているのですが、着任のタイミングは政府の承認次第です。すぐかもしれませんし、3ヶ月後かもしれません。

この上司との仕事は本当にやりやすかったので彼の離任はとても残念に思っています。特に「開発」に関する価値観を共有できていたことで、どういう行動をとるべきかということが自然と理解できました。プロジェクトの活動についても、スタッフ研修の内容についても、彼がやりたいと思うことは、私がやりたいと思うことでした。逆に、私がやりたいという提案についても同意してくれました。やはり価値観の共有ということは、仕事を進める上で特に重要なことだと改めて気がつきました。今までにさまざまな組織(会社、プロジェクトチーム等)で働きましたが、価値観を共有できていない組織はメンバーがバラバラでまったく成果が上がりません。

それはさておき、この上司の離任も考え方次第では、いい方向に進むかもしれません。1年間いままでの上司で仕事をして、彼の仕事のやり方を勉強させてもらいました。別の上司の下で仕事をするというのもまた勉強になるでしょう。


2005年2月10日(木)

実質的には今日が上司の最後の勤務日です。とりあえず記念のために写真を撮りました。ヤンゴン事務所には写っていない人も含めて13人います。ちなみに、この写真には4つのプロジェクトエリアのマネジャーも入っています。引継ぎの打合せとカウンターパート機関とのミーティングのためにヤンゴンへ来ていました。上司はいろいろな人から好かれていた人で、ここ数日はたくさんの人が別れを告げにやってきました。今日が最終日かと思うと寂しい気もしますが、ミャンマーにはまたちょくちょく戻ってくるようです。

彼も言っていましたが、このプロジェクトはスタッフ数が約230人という大所帯ですが、家族のような雰囲気のある組織で、仕事はとてもやりやすいです。ミャンマー人の気質もあるのでしょうが、昨日も書いた「価値観の共有」が大きいのだと思います。数は多くありませんが、価値観を共有できない人はプロジェクトを去っていきます。お金や権力などを求めてやってきた人はすぐに辞めます。「類は友を呼ぶ」ということでしょうか。それにやはりリーダーの価値観やビジョンというのは大切で、それが組織文化を大きく左右していると思います。上司が去り、リーダーが替わったときに組織がどうなるのか。残った私たちが組織を引っ張り、よい文化を継承していきたいと思っています。


2005年2月11日(金)

もうかなり前のことになりますが、上司の後任を募集する求人が行われていました。このような求人広告は管轄機関(私の上司の場合はUNOPS)で公示されます。あくまでも参考として、その求人内容を貼っておきます。この中にはプロジェクトマネジャーの職務内容や条件が書かれています。将来同じような職種を目指す人には参考になると思います。かくいう私も当面の目標はこのプロジェクトマネジャーですので、ここに書かれているような能力や資質を身に付けようと努力しています。

今すぐにでも応募したいという気持ちはあるのですが、大きな壁はPost Levelというものです。P-5というと職務経験年数が13年以上求められるようです。これだけは年をとらない限り満たせない条件です。国連に限らず、開発支援を行っている組織にはこのような経験年数を重視する傾向が根強く見られます。ベンチャー企業などでは30歳台やときには20歳台の社長もいるというのに、まだまだ古い体質を感じさせます。


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