現場スタッフの紹介
第1回目のつぶやきは現場で活躍するスタッフについてです。
チン州タンタラン郡プロジェクト事務所のスタッフたち
CDRTのスタッフは感心するぐらい本当に働き者です。現場では土曜日も日曜日もなく毎日毎日コミュニティのために汗を流しています。今回は、そんな中でも村に一番近いところで働くCommunity Facilitator(CF)について紹介します。
私は現場へ行くといつも自分の弱さを痛感します。お腹はすぐに壊すし、暑さには弱い。それに比べると、現場スタッフは本当に強いです。特に、驚かされるのはCFたちです。
CFはほとんどが20歳代の女性です。彼女たちの体力や精神力というものには本当に目を見張ります。チン州では、村から村への移動のために険しい山道を数時間歩くことなど日常茶飯事です。プロジェクトの対象村落の中には、郡のプロジェクト事務所から2、3日歩かないと着かない村も多くあります。そんな村々を歩き、SRGをサポートするのがCFたちなのです。
彼女たちの強さの源はどこから来るのでしょうか?先日、チン州のタンタランを訪れたときに彼女たちの話を聞くことができました。
CFのほとんどはCDRTが対象としている村落の出身者です。これらの村々は貧しく、その日暮らしという人々が多くいます。写真のCFたち(女性10人)の家もみな貧しく、その日に食べるものにも困る毎日だったそうです。その日に食べるものがないくらいですから、子どもを学校へやることなど親は考えないでしょう。あるCFは、親が学校へ行かせてくれないので、何も食べないでハンガーストライキをしたそうです。
また、村々の家庭では兄弟が多く、CFの多くは兄弟の中でも年長者のため弟や妹の分まで稼がないといけません。あるCFは、お金を稼ぐためにインド国境まで歩いて4日かけて牛を売りに4回も行ったそうです。ある日はすごい豪雨で、国境にある小川は氾濫し、とても怖い目に遭ったということも話してくれました。
別のCFは昼間はタウンヤと呼ばれる家からは数時間はなれた焼畑で働き、お金を貯め、夜は勉強してやっとのことで高校を卒業したそうです。両親は字を読むことも書くこともできず、最年長者である自分がここでがんばって学校を卒業しないと弟や妹たちも両親と同じように教育を受けられなくなると思ったそうです。昼間はタウンヤで働き、夜は勉強などということは私には想像もできないくらいたいへんなことだったでしょう。
あるCFがCDRTのスタッフとして採用が決まったときのことを語ってくれました。彼女は、面接の当日は自信がなくてとても緊張したそうです。面接は電話で行われ、いくつかの質問に答え終了しました。もう絶対にだめだと思ったそうですが、試験には見事合格し採用となりました。その喜びはとても大きく、その夜はご飯も喉を通らず、眠ることもできなかったそうです。
ミャンマーの農村では教育を受けた女性の働き口はほとんど皆無といってよい状態です。そんな中でCDRTのスタッフとして働くCFたちは本当によい経験をしています。彼女たちがいつかはきっとチン州をそしてミャンマー全体を背負って行ってくれる日が来るでしょう。