現場ジャーナル 2月14日-20日


2005年2月14日(月)

日曜日にプロジェクトマネジャーが去ってしまったので、今日からしばらくはマネジャーなしでの仕事が続きます。とはいえ、今までにもマネジャーが休暇などで不在だった期間はあるので、やっていけないことはまったくありません。みんなで力を合わせればどうにでもなるでしょう。

私がこれから本腰を入れてやりたいと思っている仕事は、モニタリング・評価(M&E)のためのシステムづくりです。正直言って、うちのプロジェクトにはあまりよいM&Eのシステムがなく、過去の経験から十分に学んでいるとはいえません。ふり返りの機会が不足しています。正確にはそのような仕組みがありません。またスタッフや村人たちの現場での教訓を、4つのプロジェクトエリアでしっかりと共有できているともいえません。

CDRTの成果はかなりいい線をいっていて、実際にはよいインパクトが多く出てはいるのですが、住民が語ってくれる「物語」以上のデータがほとんどないというのが現状です。「物語」はそれはそれでとても大切なのですが、同時にプロジェクトのインパクトを広く説明するためには数値データも必要となります。

外部への説明責任、村人やスタッフの学びの機会、そしてプロジェクト自体のマネジメントの向上(=村人の生活向上支援)。これら3つの目的を同時に達成できるM&Eシステムの開発・運用が求められています。


2005年2月15日(火)

だんだんと暑くなってきました。10月末ごろから乾期が始まり、1月末ぐらいまでは本当に快適な気候でした。日中の日差しは強かったのですが、木陰などに入ると乾いた爽やかな風がスーッと吹き抜けて気持ちがよかったです。これが本当に東南アジアの気候なのという感じでした。

ここ2週間ほどは、日に日に暑さが増しているように感じます。2週間ほど前に見たテレビでは、冬至から比べると日差しの強さは1.5倍以上とか。どうりで暑いわけです。3月中旬から後半にかけて暑さが本格的になり、昼ごはんを食べに外を5分ぐらい歩くのでも汗だくになります。


2005年2月16日(水)

もうそろそろミャンマーへ来てから1年になろうとしていますが、ビルマ語はさっぱり上達していません。村の人たちと話すときとか、スタッフと話すときなど、ビルマ語をしゃべれるといいなあ、といつも思うのですが、なかなか本腰を入れて勉強しなかったので単なる願望に終わっています。周りの同僚はみんなビルマ人で、毎日昼ごはんに一緒に行くときには、ずっとビルマ語で話しているのを聞いています。それでも、さすがに単語を覚えていないと何をしゃべっているのか何となくわかる程度で実際にはよくわかりません。

そこで、(いつまで続くかわかりませんが)

本日のビルマ語講座!
Car ne la de (カーネ ラーデー).車でやって来た。
Thangegin ne la de (タンゲージンネ ラーデー).友達とやって来た。
neとは「〜と」とか「〜で」とかいう意味だそうです。laは「来る」です。

よくいわれることですが、ビルマ語の語順は日本語とよく似ています。だからといって簡単かというわけでもなく、覚えることは覚えていかないと話になりません。


2005年2月17日(木)

今日はヤンゴン事務所のリストラについて打合せをしました。といっても首切りではなく、もう少しシステマティックに仕事をするための改善です。スタッフ数が10人と小さかったので今までは特に部署も設けずやってきたのですが、この機会に3つの部署に分けることを考えています。プロジェクトの実施(program)、総務(administration)、そして財務(finance)です。またプロジェクトの規模が近々拡大されるのに伴い、新たなスタッフを雇いたいとも考えています。計画では4つの新しいポストを設けようとしています。先日書いたモニタリング・評価の体制がないということ以外にも、プロジェクトマネジメントの分野ではいろいろと改善すべき課題があります。現場事務所のスタッフはとにかく忙しいのですが、これをどうにかして効率化したいです。既存の仕事を効率化しないことには、新たなモニタリング・評価体制も導入できません。開発ワーカーには専門の技術だけではなくマネジメント能力も求められるということをひしひしと感じています。

本日のビルマ語講座!
Saw saw eigh me (ソーゾー エイメー).早く寝るよ。
Saw sawは「早く」とか「早い」、eighは寝る、meは未来形の助詞。主語は省略可能。Saw sawはa saw yiでも同じ意味。


2005年2月18日(金)

最近はUNDPでプロジェクトの評価に関する調査を行うという話がいくつか出ています。ここでいう評価とはつまりプロジェクトの効果を測ろうということです。本当の評価はこれだけが目的ではありませんし、プロジェクトの実施部隊である私たちにとっては他にも重要な評価の目的(2月14日の記事参照)がありますが、監督機関であるUNDPとしてはまずAccountability(説明責任)を果たすことが重要です。Baseline Survey(プロジェクトの前後で効果を見るために「前」にあたるデータを集めること)の打合せはすでに数回行われ、加えてSRGのインパクト評価(Impact Assessment)もやろうかという話になっています。これら一連の動きの裏には、今までにプロジェクトの評価をしっかりとやってきてこなかったという反省があります。確かに現場では実施するのに忙しく、ふり返る時間が十分に取れていませんでした。

今週の「現場ジャーナル」はほとんど仕事の話ばかりになってしまいました。「そんな話はぜんぜん面白くもないよお」、「他にもこんな情報がほしい」という方、ぜひご意見をお寄せください。ときどき独りよがりで書いているのではないかと心配になります。

本日のミャンマー語講座!
Dine tamin sa naukya de(ディネ タミン サー ニャウチャー デー).今日は遅くごはんを食べます。
Dineは今日。taminはごはん。saは食べる。naukyaは「遅い」。deは普通の文に付く助詞です(正確な文法解釈はよく知りません)。


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