現場ジャーナル 12月27日−1月2日


2004年12月27日(月)

土曜日にインレー湖、バガンの旅から戻ってきました。

旅行と関連したニュースを今日は紹介します。今年はミャンマーへの外国人旅行者が急増しているそうです。ミャンマー唯一の英字新聞ミャンマータイムスによると、10月と11月の外国人旅行者の数は前年同月と比べて16パーセント以上増えたそうです。これは外国での宣伝の効果が大きいとしています。


2004年12月28日(火)

先々週行ったスタッフ研修の最後にクイズを実施しました。その結果を担当したスタッフから聞きました。結果は意外というか、正直言って少しショックでした。

コミュニティファシリテーター(CF)の仕事はとてもハードでたいへんですが、内容は比較的単純です。SRGがうまく運営されるようにサポートをすることです。伝えるべき内容というのはある程度限られており、これはハンドブックとしてまとめてあります。もちろん実際にはハンドブックだけでは対処できないのですが、基本として持っておくべき知識(コンテント)は限られているのです。このハンドブックは15のモジュールで構成され、貧困とはというところから始まり、SRGの基本事項、ミーティングの運営の仕方、ルールの作り方、貯蓄やローン、返済についてといった内容です。

とにかく、知っておくべき内容は限られているのです。私がこの研修で重視した点も、いかにしてこの決まっているコンテントをうまく住民へと伝えるかというプロセス(スキルや価値観、態度)の部分でした。

ハンドブック自体は1年ほど前にできたものですが、CFの中にはすでに何年もこの仕事をやっている人も多くいます。なのに…。クイズの内容はまったく「ひっかけ」なしで、すべての質問がこのハンドブックからしか出しなかったのに、結果は平均点が100点中42点と散々なものでした。研修中は非常に活発に参加して見込みがありそうだったスタッフも、点数を見てちょっと愕然としてしまいました。もう少しはできるかと思っていたのに。

これでまだまだコンテントの部分へのてこ入れも必要なことがよくわかりました。課題が見えたというのはよかったのですが、道のりはまだまだ遠いことを認識させられました。


2004年12月29日(水)

最近読んだメールマガジンに影響されたのか、今日はなぜか以前に読んだ「7つの習慣」を思い出して、手帳を使うことを考えていました。今までもできるだけ気づいたことなどをメモしようとはしていたのですが、なかなかできていないというのが現状です。仕事がひと段落着いたのと、新年が近づいてきて来年の目標を考え始めたというのも大きな理由だとは思います。

「7つの習慣」を執筆したコヴィー氏が設立した会社、フランクリン・コヴィーは様々なセミナーや研修を実施しているほか、「フランクリン・プランナー」をいう手帳も販売しています。別に宣伝するつもりはまったくないのですが、このプランナーは「7つの習慣」に書かれた原則を実践できるようにデザインされたものです。日々の生活の中で行動を管理することで「7つの習慣」を実践できるように手助けする手帳のようです。

私がもっとも共感を覚えるのは、この手帳は単なるスケジュール管理のツールではなく、まず価値観に基づいた行動をとることを目標に掲げているところです。人生の中で大切と思うことにできるだけ時間をかけ、人生の目的のために毎日の生活を過ごすことができるように考えられています。別にこの手帳を使う必要はまったくないと思いますが、価値観を明確にし、自分の役割を認識し、人生の目的を明らかにしたうえで行動を計画するということは非常に大切なことだと思います。

考えてみれば、これはまさに「セルフ・コーチング」あるいは「セルフ・ファシリテーション」です。セルフ・コーチングというのは、自分が自分のコーチになって、ある目的を達成するのを助けるということです。たぶん手帳(またはメモ)というのは、「内省」の手段としてとても有効なのだと思います。書かなくても可能なのでしょうが、やはり書くことで自分の考えが明確になって、あとで「ふり返り」ができるというのはとても大事なことです。

また「フランクリン・プランナー」のHPを読んでいて思ったのは、これが他でも言われていることと多くの共通点があるということです。まず思い出したのは、NLP(Nuerolinguitic Programing=神経言語プログラミング)のNeurological Levelです。これは、個人あるいは組織の中での変化をモデル化したもので、上からPurpose (Spiritual)、Identity、Beliefs and Values、Capabilities、Behavior、Environmentと6つのレベルがあります。よく環境を変えることで自らを変えようとしますが、このモデルによるとこれはまったく効果がなく、自分を変えようとすれば上から変えていくのが早道であるということを語っています。例えば、自分の行動を変えたいと思えば、その上の能力・スキルや信念・価値観などを変えていかないといけないということになります。まさに、コヴィーのいう価値観を明確化し、それに沿った行動を計画するということと同じ発想です。


2004年12月30日

年の瀬も近づいてきましたが、UNDPは今日も平常営業です。今日の昼は事務所の目の前にあるカンドヂー公園へ行きました。歩いて2、3分のところに入り口があります。カンドヂーとは「Royal Lake」という意味の湖です。大きな湖で歩いて1周するとたぶん40分ほどかかります。この公園の中でも南東の一角はオープンエアの小さなレストランが何軒もできていました。週末にはたくさん人が集まって民族ダンスやコンサートなどが開かれているようです。

ここ数ヶ月はずっと改修工事をしていて、だんだんとできあがってきています。来年に開かれるASEAN会議のためのお化粧直しのようです。だいぶきれいになって今では市民の憩いの場となりつつあります。湖の周りには木がたくさんあって、芝生のうえにはたくさんの人が思い思いに座ったり寝転んだりしています。ここは恋人のメッカとしても知られています。手をつないで若いカップルがたくさん歩いています。地方では決して見られない光景です。ちなみに入場料をとられますが、1人100チャット(約10円)と格安です。


2004年12月31日

大晦日です。UNDPでは年末パーティのようなイベントがありました。午前中は子どもたちを中心にした催し物があり、昼食のあとくじ引きがありました。1等賞はテレビでした。ほかにも国内旅行の航空券もあったりしてかなり豪華でした。

こちらでも紅白歌合戦を観ることができます。日本にいたときはほとんど観たこともなかったのですが、どうやら今晩は観ることになりそうです。そして、行く年来る年です。でも、日本との時差が2時間半あるので9時半には「年越し」です。こちらではまったく大晦日という感じがしませんが、テレビでも観てその気分に浸ることにします。

今年はいろいろとお世話になりました。また来年もこのホームページをよろしくお願いします。


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