現場ジャーナル 12月6日−12日

2004年12月6日(月)

昨日、12月5日は「国際ボランティアの日」でした。これを祝う意味で今日はミャンマー国内にいる現役および元国連ボランティアが集まりました。現役が2人、OBが11人出席しました。
unv meeting
現在ミャンマーには私を含めて3人のUNVが活動しています。一人は私と同じ日本出身でUNHCRで、もう一人はネパール出身でWFPで働いています。

ミャンマーは世界でも有数のUNV輩出国として知られています。派遣人数がもっとも多かった1989年には、206人ものUNVを世界各国に送ったそうです。実は、私の机がある事務所の部屋にも2人の元UNVがいますし、現場事務所にも1人います。これまでにプロジェクトで雇ったコンサルタントのうち2人が元UNVでした。

今日はそんなUNVの現役とOBたちが一同に介しての初めての集まりだったので、まずはそれぞれのUNV体験を語り合いました。出席してくれた元UNVの平均年齢は高く45歳以上だったと思います。最年長の人は70歳でした。それぞれ現場での経験が豊富で、世界各国で活躍した人たちです。通常UNVの任期は2年から3年ですが、中には7年とか11年もUNVをしていた人もいます。赴任国はネパール、ラオス、ブータン、インド、パキスタン、アフガニスタン、スーダン、西サモア、キリバス、パラオ、ソロモン諸島などなど。ソ連軍侵攻中のアフガニスタンでは近くで爆弾が落ちても獣医研修を行っていた人や、西サモアの小さな離島での地元猟師との交流を語ってくれた人など、お互いの面白い体験を話し合うことができました。

そのあと、これからUNVとして何か活動ができないかという話になりました。いろいろなアイデアが出て、これからの可能性が大きく開けて見えてきたので、みんななかなか熱くなりました。元UNVを組織してNGOのような形でのプロフェッショナル集団をつくろうというアイデアも出ました。ひとまずは初めての集まりということもあって、これからも毎月会合を行い、お互いに情報交換をするとともに、少し長期的な視野でイベントを企画しようということになりました。また、過去にUNVを経験した人たちのリストもつくることになりました。さて、これまでに何名のUNVが出たのかとても興味深いところです。


korean_stars

2004年12月8日

いつも昼ごはんを食べる食堂への道で面白いものを見つけました。こちらでも韓国ドラマが大人気です。写真の露店はその韓国ドラマのスター(?)たちの顔写真を売っていました。



2004年12月9日

毎年恒例のスタッフ研修が3日後に迫ってきました。例年は主にその年の活動をふり返ることが目的ですが、今年は「研修」のほうに重きを置いています。

各エリアからはスタッフたちが続々と集結しています。みんなバスで来るので、首都ヤンゴンまでは2日から3日の行程です。また、なにしろ200人以上が集まるのですから、ちょっとした「民族大移動」です。

このスタッフ研修は6日間の日程で行われます。200人のスタッフを3つのグループに分け、Community Facilitator (CF)と呼ばれるもっとも若いスタッフたちの研修に私はあたります。担当するのは「トレーニングスキル」で、2日間の予定です。CFは全部で94人いるので、これを2グループに分けて、各グループにトレーニングスキル研修を2日間ずつ行います。

トレーニングスキルは大きく4つのパートに分けて行います。一つは成人教育のコンセプトや原則などについて。二つ目はトレーニングの計画、エクササイズの設計について。三つ目はトレーニングを実施するためのスキルについて。そして四つ目はトレーニングの評価について。いずれも実践的な内容で、知識だけではなく実際に効果的なトレーニングを村人に提供できるようになるための「スキル」を重視しています。そのため、トレーニングは「体験学習」をベースにしたものにします。講義中心ではなく、演習などを通じて体験することによってスキルを学べるように2日間の研修を計画しています。


12月10日(金)

珍しく昼夜と1日に2度も外食をしてしまいました。昼ごはんはプロジェクトマネジャーのおごりでした。こちらミャンマーでは誕生日にはお祝いをしてもらう人が友人・知人を招待してご馳走することになっています。ヤンゴン事務所のスタッフたちと一緒に「ミリオンコイン」というレストランへ行きました。ここはチェーウーという麺が有名です。豚か鳥でだしをとったスープに細くて白い麺が入っています。だいたい1000チャット(約100円)です。ミャンマーの人も多いですが、身なりを見ると比較的裕福な人のようです。清潔で手軽なので外国人の客も多いです。

夕食のほうは新たにミャンマーに赴任してこられた日本人の方の歓迎会でした。JPO試験を突破してWFPに配属になった方です。こちらはなかなか高級なイタリアンへ行きました。これでミャンマーにいる日本人JPOは4人で、それぞれUNICEF、UNDP、UNFPA、WFPに勤務しておられます。


12月12日(日)

いよいよスタッフ研修が始まりました。さっそく研修ワークショップのファシリテーター兼トレーナーとしての仕事です。午前中は8時半からまず少し形式ばった開会式から始まりました。ティーブレイクのあと、自己紹介をしました。もうすでに知った者同士ですので、簡単な自己紹介です。47人の参加者全員に部屋を歩き回ってあいさつを交わすというものです。

次に「研修への期待」として4つの質問に答えてもらいました。質問というのは、

これにまず個人で答えてもらってからグループで共有し、グループごとに全体で発表してもらいました。そのあとは全体の研修スケジュールを説明して昼食でした。

昼食後は午前中に行うはずだった研修中のルール作りを行いました。研修生からは「遅刻しない」や「騒がない」など基本的なものしか出てこなかったので、参加型ということもあり、何でもわからないことや賛成できないこと、提案などがあったらどんどん出してもらうようにお願いしました。そのあとは比較的大きな2つのアクティビティをやりました。一つは成人学習の原則について、も一つは「聞く(聴く)姿勢」について、経験を通じて学習できるようなアクティビティを行いました。一つは思ったほどうまくいかなくて、反省材料となりましたが、これはまたの機会に書きます。

最後に1日のふり返りを行って5時過ぎに終わりました。初日だったということもありかなり気合を入れたのでとても疲れました。


Copyright (C) 2004-2005 Hiroyuki Akaso All rights reserved.