現場ジャーナル 11月22日-11月28日

2004年11月22日(月)

ミャンマーでUNOPSが実施・管理を行っているプロジェクトは大きなものでは3つあります。CDRTの他にマイクロファイナンスプロジェクトとHIV/AIDSプロジェクトです。今日の昼食はそれぞれのプロジェクトマネジャーと一緒にとりました。Kaba Aye Pagoda Road沿いに新しくできたタイ料理レストランへ行きました。

プロジェクトマネジャーはAPM(Agency Project Manager)と呼ばれています。マイクロファイナンスプロジェクトのAPMはネパール出身、HIV/AIDSのほうはフィリピン出身です。ちなみに、CDRTのAPMはオーストラリア出身です。欧米諸国がミャンマーに対して経済制裁を行っているため、ミャンマー政府はそれらの国に対してあまりよい感情は持っておらず、プロジェクトの要職はそれ以外の国出身の人たちが多く占めています。もちろん例外もありますが。


2004年11月23日(火)

また今日も一人スタッフが辞めていきました。と書くと、なんだお前のプロジェクトはうまくいってないんだな、と考える人もいらっしゃるでしょうね。

まあ、それほど頻繁にスタッフが辞めるわけではありませんが、確かに転職する人は多いのが現実です。その大きな理由は仕事の安定性と給料です。プロジェクトは当然ながら期限があり、CDRTの場合は2005年12月でプロジェクトが終了します。次のフェーズはあるとは思いますが確実とはいえません。それに、前フェーズと今フェーズでもそうだったのですが、フェーズの変わり目ではちょっとした「お休み期間」が入る可能性もあります。というわけで、スタッフとしては将来の不安があるというわけです。また、CDRTは国連プロジェクトとはいえ給料は決して高くはありません。同じようなポジションを比べるとNGOのほうが高いので、誘いがあるとそちらのほうへ行ってしまう人もいます。CDRTのスタッフは様々な研修を受け、現場で経験を積んでいるので、他のNGOにとってはとても重宝していると思います。いわば人材供給所です。CDRTにとっては確かに人材流出ともいえますが、スタッフに対してはどんどんキャリアを積んで条件のよいところへ行くことを勧めています。それが彼らにとって良いのであれば。それに大きな視野で考えると、ミャンマーで住民とともに開発を進めていける人材を育てるということはとても大切なことと考えています。

さて、冒頭で話した辞めてしまったスタッフもとても優秀な人でした。次は韓国大使館に勤めるそうです。でも、これからもときどきCDRTの事務所に戻ってくるといってます。いったんCDRTで働くと、もう家族の一員みたいなものですから。一度転職した人でも戻ってくる人も多くいます


2004年11月24日(水)

メールマガジンをいくつか購読しているのですが、そのうちでも「今日の名言、名著」は本オタク(買って溜めておくだけですが)の私にとってはとても面白いです。「まぐまぐ」などで購読可能です。

きょう紹介されていたのは『万国「家計簿」博覧会』(根岸康雄著 小学館)です。エジプト、アルゼンチン、ロシア、フランス、インド、韓国、メキシコ、スウェーデン、ケニア、中国、レバノン、タイ、アメリカの中流層の生活実態を、収入と物価で明らかにするという本だそうです。なかなか面白そうな本ですが、残念ながらミャンマーでは買うことができません。

そんな話を読んでいたら、友達からホームページをよくする提案をもらいました。ミャンマーの物価を紹介してみては、ということでした。とてもよい企画だと思うのでさっそく始めるための準備に入ることにします。


2004年11月25日(水)

大学生たちが帰ってきました。カチン州での研修を実施するためにヤンゴン大学の教育学部4年生を9人雇っていました。研修の内容は数字の読み書きと簡単な計算能力の向上です。ほとんどが農村での暮らしを知らない学生たちでしたので、村での不便な生活に耐えられるか心配でした。軽いマラリアに罹った人もいましたが、みんな楽しんできたようです。彼らにとってはとてもよい経験となったようです。プロジェクトしてこういう貢献の仕方もあるのだかなと再発見した気がしました。

研修の結果も成功といえるものでした。各村で6日間の研修です。はじめの3日間は英数字の読み書き、後半の3日間は基礎的な計算、計算機の使い方、そしてカレンダーの読み方です。識字率の低い村での研修ですからそうとう苦労したようですが、かなりうまくいきました。私も10月から11月にかけてその様子を見に行きました。それはまたの機会に書きたいと思います。

今日はその学生たちと研修の成果についてふり返りのワークショップを行いました。かなりいろいろな提言も出てきて、これからラカイン州やチン州で同様の研修をするときに役立てられそうです。また学生たちはとても熱心で真面目にやってくれただけでなく、研修の成果も大きかったので卒業後も興味がある人はCDRTで雇ってみたいとも考えています。


2004年11月26日(金)

明日からチン州へ出張です。ヤンゴンへは12月4日に戻る予定です。しばらくは更新ができませんが、面白い話題をたくさん仕入れてきますので、今後もこのHPをよろしくお願いします。


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