ミャンマーの車

2005年2月8日

突然ですが、写真の車の値段はいくらだと思いますか。私の元同僚の車です。

車種はご覧のようにフォルクスワーゲンビートルです。年齢は私よりも先輩の1964年生まれです。走行距離は不明。地球を何周したかわかりません。たぶん文字どおり地球を何回か周ってミャンマーへたどり着いたことでしょう。車体はボロボロで床の所々はさびて穴があいています。運転席横の窓はありません。さて、いくらでしょう?



答えは220万チャット。約25万円です。ヤンゴンで買える車の中でたぶんもっとも安い部類に入ると思います。それでも25万円。40年落ちですよ。もう少しましな車になるとすぐに100万円や200万円になります。ましな車というのは90年代前半につくられた日本車のことです。2000年代の車なんてめったにお目にかかれません。

いまヤンゴンで走っている車のほとんどは日本車です。それも日本から直接輸入されてきているので右ハンドルです。ミャンマーは日本とは違い車は右側通行なのですが、ほとんどの車が右ハンドルなので変な感じです。バスもほとんどが日本から入ってきていて、「○○市バス」などと書かれた車体は懐かしいです。行き先もそのままで聞き覚えのある地名を見て懐かしがっています。バスもそのまま右ハンドルです。不便だろうなあ、と思うのは、乗客の乗降です。出入口が左側にあるので、歩道やバス停からバスに乗ろうとするとバスの反対側へ回らないと乗れません。

以前は車の値段も今ほどは高くはなかったそうです。5年前だと今の5分の1から10分の1ぐらいで買えたと聞いています。それから急に車の値段が上がったそうです。理由は自動車の輸入が制限されたからだと思われます。噂によれば、ここ最近はまったく車が入ってきていないそうです。値段が上がるのもうなずけます。5年前というと欧米諸国が経済制裁を始めた時期と重なります。それから車の輸入が難しくなったのでしょう。

ヤンゴンの交通事情は年々悪化してきていて、ラッシュ時の渋滞はひどく、おまけに運転マナーの悪さは筆舌しがたいものがあります。私は通勤のために自分で車を運転しているので毎日その苦しみというかイライラをいつも感じています。

一方で楽しみといっては変ですが、ミャンマーにある日本車にはわざと日本語の表記を残している車を多く見かけます。「〇〇運送」やら「〇〇会社」といった日本では業務用として使われていた車が多いようです。ほかには「赤ちゃんが乗っています」のようなステッカーがそのまま貼られている車も多く走っています。こちらの人たちは意味はわからないみたいですが、どうやら日本語がかっこいいとか、日本語が入っていると日本から入ってきた「いい車」だという証明になるみたいです。

中には意味のわからない日本語の文字をつけて走っている車も見かけます。多いのは「自動車用室内芳香剤」です。はじめは、日本で使っていたときの宣伝文句かなとも思いましたが、意味がよくわかりませんし、同じ文句を貼った車が多すぎます。どうやら好き好んで貼っているようです。そんなステッカーが売れるのがふしぎですね。ほかには日本語ではありませんが、バーコードを拡大コピーしたようなステッカーを貼っている車も多く見ます。こちらは何のために貼っているのかさっぱりわかりません。またまたふしぎです。



さらに最近発見したのは上の写真です。「日本ダービーの入場券はすべて前売りです」と書かれています。一見したところ「自家用」という文字も見えますしJRAの車ではないようです。いったい何なのでしょう?謎です。この写真は妻がマンダレーへ行った時に撮ったもので、ヤンゴンでも1台同じステッカーを貼った車を見かけたことがあるそうです。ほかにも「紳士はスポーツもこなす」と車体の横に書かれた車も走っているそうです。さらに謎。ほかにも面白いものを発見したときには報告します。


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